【第53回】東京一極集中が日本を救うを読んで

こんにちは、ぐっさんこと山口友之介です。

 

与太話は最近ないので本題に入ろうと思う。

いや本題の前に関連している記事。

 

先日日経電子版にこのような記事を見かけた。

www.nikkei.com

日本の少子化が予想を超える早さで進んでいて、公的推測よりも10年以上前倒しになるだろうという記事だ。今回の新型コロナウイルスの影響で特に感染者が多い地域で減少が目立っているらしい。人口減少で様々な問題に抱えている上にこの始末とは今後どうなっていくか…

 

この記事に関連して、僕は「東京一極集中が日本を救う」という本を読んだ。

東京一極集中が日本を救う (ディスカヴァー携書) | 市川 宏雄 |本 | 通販 | Amazon

この本は市川宏雄という都市政策専門家の方が書いている。

市川さんは初めから一極集中の論を持っていたわけではない。本にも書いてあるが、「全国総合開発計画」が1962年にありその中の「地域間の均衡ある発展」に共感していたという。

 

僕はこの本を読む前までは一極集中を肯定している論はあまり理解できずにいたが、この本を読んで東京一極集中に対する否定的な考え方がかなり変わった。現在着任していないが、大正大学の小峰隆夫教授もこの論に肯定的である。小峰教授は仰っていた。「この話は地方自治体の前では話しづらいし、このような考え方もあるよというだけで、その考えを私が持っているとは言えない。」

このこと自体を記録に残している僕には罪はないですすみません小峰さん

 

本題というかこの本のキーポイント、著者が言いたいことを書いていこう。まずメリットから。

1、都市の総合力は世界第4位。                        

考え方が、地方VS都市ではなく、都市VS都市(世界中の)でこの論は構成されている。そのため、地方がどうこうというよりも東京が発展することで地方は成り立っている、と論者は話す。東京が持っている「都市の総合力」GPCIは世界で4位であり、調査が始まって以来2008年から4位までの顔ぶれは変わっていない。僕が調べたところ2020年はロンドン、ニューヨークについで3位となっている。日本の前にいたパリは4位となった。産官が未着しているこの都市は効率が良く、交通インフラの利便性が高いこと、が挙げられている。もし、GPCIの順位が下がれば東京の魅力が下がり、日本の国力の低下につながる。

2、集積のメリット 

規模の経済により製品は大量に作られ利益も大きい。(大量消費時代であれば)

また、都市部への一極集中は経済合理性に基づいていた必然的な帰結であり、3600万人の都市圏人口を誇る東京は、第三次産業の拠点として世界的に有利な都市だということ。

3、国家運営の変化

今まで、地方は東京に人材としての若者が流入第三次産業を中心としたビジネスにより利益をあげ、その分の税金(所得税法人税、消費税)を中央政府に収めていた。そこから中央政府は地方に補助金交付金)を分配した。そこから小泉政権三位一体改革では地方が衰退するとのことで2008年に地方法人特別税が科される。主に東京で納められた法人税を地方に分配するといった機能だ。これにより多くの分配が可能となった。

4、中央新幹線リニアモーターカー)による大東京圏の形成

2027年には東京〜名古屋間が完成予定、37年には大阪間が完成予定となっている中央新幹線が完成することで東京の都市ではなく他の地域とつながることでより経済圏が増すということだ。現代は「ヒト、モノ、カネ」をいかに集積できるかが世界の大都市で競い合っている。日本地図を書き換えるほどの力を中央新幹線が持っている。67分で大阪まで行けるとなればビジネスにおいては多いに働くと思う。

 

以上の4つが一極集中のメリットと著者の言いたいことだと思う。

まだ載せていないところが多いのでもっと知りたいという方は読んでみてください。

 

デメリット

1、外部不経済

都市にヒト、特に工場が集まれば起こることだ。

 

2、集中による弊害

都市では交通渋滞、遠距離通勤(今回のテレワークで拍車がかかればいいけどあんま期待できない)、地価高騰、それによるコミュニティー崩壊(これは地域実習Ⅱで多いに学んだ)、居住空間の劣化、それとここには書いていないが、自殺や殺人の影響もあるっていうのを社会学でやった気がする。地方では、人材不足と高齢化、地方経済の風化、中央依存体質の固定化。日本全体では、技術・情報の偏在化、東京補完機能の低下、中央集権制度の普遍化があげられる。

 

3、交通インフラの崩壊

東京オリンピック前に建てた道路、橋、トンネルなどの寿命が一気に老朽化へと進んでいく。これへの対処はどうするのか

 

4、新たなウイルスとの戦い

これももちろんこの本には書いていない。実際影響は受けている。あまり影響の受けていない(人口の比較的少ない地域)は東京よりも普段通りまではいかないが、動きが早い。

 

 

 

 

まだ書こうと思っていたんだけど、ここで終わりにしようと思う。最後に市川さんは「世界のグローバル化のなかでこの東京を手放すわけにはいかない〜、この本により東京一極集中をもう一度考えてもらえればと思う」とある。私は考えさせられたこの本に有り難く思う。

 

2020年のブログは僕で最後になります!!なんかまとまりないけど、毎回これやってて思うのは文章をまとめるってすげー疲れるってこと。でも半強制的なところもあってやれてるのもある。来年もいいことだらけのことは望んでないから、ありのままの自分であってほしい。いきなり誰目線

 

てことで、2020年rerayブログありがとう!来年もよろしく!!

早めの良いお年を!!